分かりやすい セーフティネット保証制度

「セーフティネット」という言葉が特に聞かれるようになりましたね。

“転落防止用の網”から意味が転じて、
 企業や人が(主に)お金の面で危機的状況になったときに、
 国が何らかの措置を取ることを指しています。

そしていま、まさにその危機的状況にあります。

国が行なっている中小企業のセーフティネット認定を行なう業務に、
私は中小企業診断士として、去年の11月下旬から携わってきました。
先月の4月末で一区切りついたところです(制度は来年3月まで)。


認定の仕事をしていた間は、通常どおりに取材や講演を行ないつつ、
それ以外は、朝8時半~夕方5時まで、某行政に勤務する生活

フリーランスのジャーナリストを10年もしていると、
同じ時間に起きて、同じ場所へ行き、同じ人たちと顔を合わせ、
同じ時間帯、働くことが懐かしくも、新しかったです。

認定委員の仕事をしなければ知らなかったことも多くありました。
充実した5カ月間をいただいて、感謝しています。


今回はまず、「セーフティネット」の内容についてご紹介しますね。


私が携わったセーフティネットの正式名称は、
「中小企業信用保険法第2条第4項第5号の規定による認定」
経営資金に困っている中小企業を援助するのが主旨です。
http://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/sefu_net_5gou.htm


多くの中小企業は、おカネに困っていますから、
金融機関(銀行や信用金庫など)から借りたいわけですが、
銀行側は貸すのをためらっています。

貸したおカネが返ってこないケースが増えているからです。
いわゆる「貸し渋り」の状態になっているのですね。

そこで登場するのが「信用保証協会」
もしもその中小企業がおカネを返せなくなったら、
うちが代わりに、全額を銀行に返しますよ、と保証してくれます。


といっても、その中小企業の借金そのものはなくなりません。

おカネを返す先が、銀行から保証協会に代わるだけです。

また、保証協会に保証してもらえる場合は、
保証料(0.8%=セーフティネット5号の場合)を別途、徴収されます。

融資額は最高2億8000万円ですが、ほとんどそれはありません。
額は企業の状態によって異なります。

当然ながら、手放しでおいしい話ってないんですね。


でも、この制度やこの協会があることによって、
企業はお金が借りやすく、銀行はお金を貸しやすくなります。

また、利率も基本的には1.9%以下と低利です。
返済期間も10年と長いです。
法人でも個人事業主でも借りられます。


信用保証協会は前からありましたが、従来の保証額は80%まで。
しかし、このセーフティネット認定を受けると保証は満額の100%です。

20%の差は大きいので、多くの中小企業が認定書をつくりに来るのです。
各都道府県の市町村や区ごとに窓口を設けています。


私が某所で5カ月間携わったのは、この認定書作成のお手伝いでした。
窓口に来られる中小企業の方々と接して、

・仕事内容はどの業態に当てはまるか
・売上高または利益が、指定の月または年と比べて3%以上落ちているか
・許認可証が必要な企業はそれをちゃんと取得しているか
 などを確認して、書類の記入を手伝うのです。

その書類には、
「当社はこういう仕事をしているけれど、このくらい業績が
下がっているから保証の認定をよろしくね」という主旨を明記し、
そこに、区市町村の長の実印をバンと押して、完了です。


手続きにかかる時間は、1社につき長くて1時間、短いと10分。
多い日で1日15社を担当したので、
ざっと計算すると、延べ1000人(1000社)を見たことになります。

いろいろな業種・会社・人と出会って本当に勉強になりました。


ところで肝心なことですが、
認定書を作っても、100%融資してもらえるか、
100%保証してもらえるかは、実は分かりません。

後日、改めて、信用保証協会と銀行の審査に通る必要があります。
よって、審査に通らなかった企業にとっては、
認定書には何の意味もなかったことになります。

しかし、認定書がないと、審査にさえかけてもらえない状況もあり、
とりあえずは認定書を取るのが現状です。
金融機関も、まずは認定書を取ってください、と言うそうです。


これを忘れていただきたくないのですが、
「融資」は耳当たりのいい言葉ですが、つまり「借金」だということです。

制度があるからといってむやみに融資を受けることはおすすめできません。

でも、将来のために、また現在の危機的状況を乗り越えるために
借金が必要なこともあります。借り換えの機会ととらえることもできます。
意味のある融資がなされるとよいな、と思います。


日本のすべての企業のうち、中小企業の割合は99.7%もあるんです。
中小企業の条件は、製造業や卸売業など業種によって変わりますが、
最も大きい条件で、資本金が3億円以下または社員数が300人以下
ですから、ほとんどの会社は中小企業なのです。

映画『男はつらいよ』に出てくる、たこ社長の工場ばかりが中小企業では
ないんですね。大きく見える会社も、実は中小企業だったりします。
99.7%を占める中小企業ががんばってこそ日本の未来は明るい。

まだしばらくは大変な状況が続くかもしれませんが、
がんばって、がんばって、がんばろう!

この危機は、絶対に未来の糧になると信じて。


ジャーナリスト・中小企業診断士の瀬戸川礼子でした。





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